おひさしぶりです
明日にでもと言いながら一週間経ってしまいました。このぶんだと普通に「気付いたら花火終わってた」が実現しちゃいそうです。ナムナム。
「とにかく指導者に恵まれない」と言われた(算命学で)去年までの3年間が開けてみると、そこにはいい悪いではなく指導者そのものが不在だったわけですが、親の愛を受けて育たなかった人が子供に対しての屈折した愛情表現に陥りやすいように(コレ、もちろん一概には言えませんけど!)、指導ってことに対してどーなんだろーと思ってしまいます。
しかし自分的窮地に立たされたとき「じゃあ、前の仕事に戻ることを想像してみて!」という委員長の台詞を思い出します。
100倍マシ。マジで。
どーでもいい話でした。
んで、マリー・アントワネットの続きを書いちゃいますよ。
まず、個人的に非常に好きな映画でした。
というか全編通して基本的に泣いてました。
それはソフィアの描く世界観がどうしようもなく好きだからということなんですけど、えーとソフィアのことはまた次に書くとして、その前に。
私は、マリー・アントワネットについて殆ど何も知らないんですよね。
浪費ばっかりしてた女王様、くらいの感じでしかキャラ設定されてない存在で、ベルばらも読んでなければフランス愛好家でもないもんで、割とニュートラルにこの映画に入れたというところがあります。
熱心にではないけれど、事前にインタビューなんかもぽつぽつ読んだりして、そこで「マリー・アントワネットってこういう人なんだー」とか知るような感じで。だから割とソフィアモードでこの映画に挑んだというか。
まず、この役にキルステンを抜擢したことについて。
個人的にキルステン・ダンストという『ハリウッド女優』に全く興味はないです。『スパイダーマン』とか観たことあるけど、1mmも可愛いと思わない。ELLEみたいな雑誌のカバーを飾ってても、セレブのゴシップ記事に出ていても、特に惹かれない。
だけど、『ヴァージン・スーサイズ』しかり、ソフィアが撮るキルステンというのはもう全然違う。もの凄く魅力的なわけです。それは『可愛い』とか『きれい』とかそういう話ではなくて、ヌードの状態というか。無防備で、切なくて、いとおしい。人としての美しさというのでしょうか。不完全で人間ぽい。演技ではないというか。
人は、初対面から仲良くなり始めると気を許して、少し自分のネガティヴな部分を見せてしまったりするものでしょう?でも、そこを超えることができれば凄く仲良くなれる。そういうものだと私は思うのですが、ソフィアが撮るキルステンにはそういうところを感じるんですよね。
『ヴァージン・スーサイズ』では少女をやっていればよかったけど、今回は大人になっていく過程(母になることも含めて)を表現する必要があって、それが上記のようなテンションで見事にできちゃってるのが、非常に感動的だった。
私は『ヴァージン・スーサイズ』も『ロスト・イン・トランスレーション』も観てるので、最初にマリー役がキルステンと聞いたとき、正直「それしか出来ないのかよ!」くらい思ってました。ソフィアの世界を表現する役者って決まっちゃってるんだな、みたいな。
でもそういうことではなかった。恐れ入りました。
結構アーシア・アルジェントとか、マリアンヌ・フェイスフルとか、脇を固める人たちのほうに期待してたんですが、その辺は期待を上回ることなく平均点。とにかくキルステンが素晴らしかった。
あと、ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンも素晴らしいです。
シークレットゲスト的には元CHANEL、現Diorのアクセサリーデザイナー、ヴィクトールしか見つけられなかったんですけど、誰か出てた?
マーク・ジェイコブスくらい出してもらいたい感じなんですが。あ、PHOENIXは出てたね。
さて、この映画の何がすごいって、メジャーな映画というところです。
しかも、ソフィアの、メジャーな映画というところ。
前2作はプライベート色が強くて、彼女のベッドルームを映像化したようなものだった(以前『ロスト〜』を観たとき、ソフィアの良質なホームページを見ているようだという感想を書いたと記憶しています)けれど、今回はそうではない。
スケールが全然違うわけです。ストーリーも、何もかも。
それが顕著に表れているのが美術関係。衣装とか色彩の素晴らしさという部分では、至る所に書かれているので割愛しますが、ソフィアじゃなければできなかった色々なことがあって、それが見事にメジャーになっている。彼女の世界が無理なく、メジャーの世界で通用できているというところに、本当に感動した。
マリーがフランスに嫁ぐとき、馬車の中から見る森の日差しのカットに、泣けて仕方がなかった。
ストーリーとしては後半ちょっと展開荒かったですが、終わり方含め満足です。
なんというか、これはフランス革命でもなくベルばらでもない、ひとりの女の子のお話なんですよね。その子がたまたまマリー・アントワネットという名前だった。
それでいいのではないか?という気がします。
特に男性諸君に観てもらいたい。マリーの気持ちがわかるようになれば相当モテると思いますよ。