「いつも忙しいを言い訳にする人たち」ベス・ソーイ・著
生き方本とかあんまり好きじゃないと思ってた昔の私。
「生きてていいんだよ」「にんげんだもの」的テイストには吐き気がしていましたし、自己啓発本なんて暇人が読むもんだ、とね。当たり前のことしか書いてないんだから。
今もそういう気持ちはあって、才能のある人はこんなもので確認作業することなくそのぶんの時間を「前を見る」ことにあてるのだろうなぁという考えは変わりません。
でもそれなりに長く生きると色々なことがシンプルじゃなくなってきて、そういった当たり前のことを、うーん、忘れてしまうというのとはちょっと違うと思うんだけど、大事にすることがおろそかになるというか。色々なものを抱えて身動きが取れなくなってしまったり、見えてたものが見えなくなったりする。まぁ、長年連れ添う夫婦のようなものじゃない?相手の存在に安心するあまり、おろそかになってしまうという。
するとおかしなことだけど、今度は、暇人であればあるほど自己啓発本は必要ないんじゃないか、という気にさえなってくる。暇なときは自分で自分をメンテナンスしやすかったけれど、暇じゃないと効率良くメンテナンスしたい。或いはその方法を知りたい。それが100%自給自足じゃ、ツライものがあるわけです。
もちろんそれが音楽だったり写真だったり小説だったりする訳だけど、まぁ、そこに生き方本を入れてあげてもいいのでは?みたいな感じ。
今だって吐き気がするテイストのものは腐るほどあるけれども、それを否定することはないかなと。つまり、私にとってのarctic monkeysが「にんげんだもの」や月9のドラマや合コンだという人がいるだろうし、そこに何ら違いはないよね、ということ。
もちろんメンテナンスをするのはあくまで自分なので、期待というか他力本願なのはよろしくない。するのは勝手だけど、裏切られた気分になんてなってしまおうものなら、せっかくの機会をそんなつまらない感情で害して、あーあ、もったいない、って話だ。
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そんな訳でたまたま行ったクレヨンハウスでみつけたこの本を読んでるんですが、結構おもしろいの。
おおきなテーマが「仕事と家庭の両立」なので、特に子どもをもつワーキングマザーや、家庭をもつビジネスマンやサラリーマンの方を対象としており、微妙に私は圏外なのですが、沢山のもののバランスを取るという意味では非常にためになります。
色々な切り口からヒントを提示しているんだけど、いちばんほほうと思ったのが「優先事項」という考えかた。
---以下本文より---
この課題はとても大切で時間もほとんどかからないので、今この場で取り組んでほしい。十分か十五分くらい、気持ちを集中できる場所で行うこと。鉛筆かペン、それからインデックス・カードを十五枚から二十枚くらい用意する。静かなBGMを流すのもいいだろう。いましばらくは心配事を忘れて、自分について、そして理想の人生について考える心の準備をしてほしい。
■楽しいことをたくさんする
□ひとりの時間を持つ
■肉体的な魅力を保つ
□人間として成熟する
■興奮と冒険を追求する
□楽しいことを学ぶ
■目標を達成する
□自分の仕事が大切だと信じる
■地域に貢献する
□あらゆるものごとと心を通わせる
■人生のパートナーに献身する
□家庭を築く
■自分の人生が大切だと信じる
□内なる知恵を見つける
■いまこのときを生きる
□他人に寛大になる
■引退後の人生を楽しむ
□個人的な自由を得る
■趣味を楽しむ
□健康を維持する
■自分の才能と技術を生かす
□自分のことは自分でする
■世界を見る
□トップに到達する
■影響力を持つ
□世界をよりよい場所にする
■信念を実践する
□賢い子育て
■よき友を持ち、よき友となる
□精神性を高める
■ビジョンを持つ
□生活を簡略化する
■愛とやさしさで心を満たす
□伝説を残す
■クリエイティヴな心を持つ
□余興時間を楽しむ
■からだを動かすよう心がける
□自尊心を高く持つ
■心の赴くままにしたがう
□何か新しいことを経験する
■経済的に自立する
□仕事に満足する
■環境を守る
□なにかちがいを生みだす
■家族仲よくする
□他者を思いやり、心を通わせる
■自分自身を超えた力を信じる
□周囲の美を堪能する
■心の平穏を見いだす
□許す心を持つ
■優雅に歳を取る
さて、上記の各項目に目を通してほしい。あなたにとって家庭あるいは職場で大切なことはどれだろう。
これぞという項目を見つけたら、それをひとつずつカードに書き写す。そのなかから自分にとってもっとも大切だと思う五枚を選ぶ。そう、五つだけ選びだすのだ。(略)
個人的な優先事項を五つに絞ってどうするのだ、と思うかもしれないが、これはとても重要なことなのだ。時間はかぎられている。なのに、すでにあなたが抱えているものは多すぎる---だからこそ、この本を買ったはずだ。優先事項を絞り込めば、そのすべてを現実のものとする可能性が高くなる。それに、五つに絞ることで、自分にとってほんとうに大切なものはなにかというむずかしい選択を迫られることになる。自分の思わぬ選択に驚くこともあるだろう。(略)
---以上本文より---
自分にとって意味のある優先事項を明確にし、こころの負担を減らして気持ちの整理をし、バランスのとりかたを考えられるようになるというわけです。
マーやっぱりアレね、歳取ると、色々なものを手にする機会が増え、今までの蓄積もあるわけで、何を持ち、何を捨てるか。何処にポイントを置くか。どのようにバランスを取るか。そしてそれらすべてを司る、「結局のところ、あなたは何がしたいのか」。
この辺につきますねポイントって。
ちなみに私は後半の文章を読む前に各項目に目を通し、殆どのものが自分にとって必要だったり目指したいものだったりしたので、読み進んで愕然としました。結局のところ、私は結構な業突く張りだったわけよね。参りました。
最終的に絞った私の優先事項は以下。さて、あなたは?
□自分の才能と技術を生かす
□影響力を持つ
□精神性を高める
□よき友を持ち、よき友となる
□あらゆるものごとと心を通わせる