深夜までやってるアヤナの好きそうな本屋があったよ、と旦那に教えられたのが半月くらい前だろうか。
ようやく行ってきました。
その名は
SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS。
さすがに旦那は私の好みをわかっているようで「どうせ長居するから先帰るね」と言い放たれたオレは、夜の11時あたりから、結局1時半くらいまで長居。これだから本屋は独りに限る。ちなみに滞在中に携帯で写真を撮っている人、数知れず。この店の雰囲気をなんとかして写真におさめて、みんなblogにアップするんだろうナァ。なんて思いながら舐めるように立ち読んでいたオレ。結局以下4冊をお買い上げ。
・『神さまがくれた漢字たち』 白川 静 監修 山本史也 著
・『こどものためのドラッグ大全』 深見 填
・『日本という国』 小熊英二
・『PURPLE』(ってここで買う必要があったのかは疑問ですが)
あ、町田康の『告白』買うの忘れたわ。
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本だけを、ていねいに取り扱っている空間という印象でした。こういう店って、東京じゃないとできない、たぶん。
COW BOOKSとTOWER BOOKSとVILLAGE VANGUARDを5:3:2で混ぜたのを、あたたかくミニマルな空間に並べてみましたみたいな感じです。しかし音や雑貨は皆無で本のみというところが潔くて好感。そして海外ものの比重が低い(洋書という意味ね)のも非常にいいなと思いました。
最近私の中で凄く大事だと思っているのが(今年の密かなマイテーマだとすら思っているのが)『日本』ということ。
私は日本人である自分とか、日本という国だとか、そういうことについて全然無自覚で、今まではそれがいいと思っていたきらいがあるんですね。ワールドワイドにいいものを探すニュートラルな目みたいなものを目指していたのかもしれない。
それってJ-POP聴きません!みたいなことの真逆だし(好きな音楽は洋楽、みたいな答え方をする人は格好悪い人ベスト10に入ると、高校のときより思っております)、自分が基準みたいなことです。日本も他の国も贔屓しないというか。日本文化に傾倒している友達も何人か居たなかで、フーンくらいにしか思っていなかったオレ。
そんな私が何故今更、日本?
と、自分でもやや面白がっているのですが、たぶん、結婚したことってのがトリガーみたいになっているんだと思います。自分のルーツみたいなものに興味を持っているのかなと。それは決して後ろ向きということではなくて、はて、私が未来に残せることは何かいな、ということの表れなのだろうなーと考えています。
昔母親が、そのまた母(つまり祖母)の家訓みたいな本を探り当てて感動していたことがあったのですが、全然意味わかんなかったんですね当時。今ならわかるかもなーと思います。
んで自分の過去とか前世とか親のどーのこーのとかそういうのも勿論興味あるんですが、回帰、みたいな感情ではないし、何を残せるか、というところなので『日本』なんですね。何を守らなければいけないのか?
愛国心なんてさらさらないし、国家ということについて全肯定するつもりもない。だけど日本の文化とかこころ、みたいなものを早急に見直したほうがいい、そういう気分なのです。
松岡正剛の影響ももろにあるのだけど。
今デザイン業界っていうか……。そういう界隈でも
『MADE IN JAPAN』みたいな概念が流行してますよね。それは悪くないことだと思います。匠の技的な。食べていけなかったり、後継者が居なかったりして仕事をたたんだりしているところに、こうこうこんなビジネスをやりませんかと。
全くの善意かもしれない、もちろん。
でもそこには非常にデリケートな、注意深くなければならないものが潜んでいる。接するのは、やっぱりちゃんとした日本人か、それか若冲のコレクションしてるプライスさんみたいな外国人か、どっちかでなければならないと思う。
つまりは、作り手へのリスペクトと概念の共有ですね。そこはていねいに行ってゆかなければならない。
オーガニックとかエコとかエシカルとかそのへんについて私が思うのも、そういうことです。
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そんな訳で、本というものにていねいで、行き届いていて、しっかりと出汁をとったうどんのような、さっぱりとしたのどごしのSHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSはとても頼もしい存在だなと。
長居の後は円山町ラブホ街をいい気分で突っ切り(asia周辺に溢れるB-BOYたちを眺めながら)、道玄坂のFRESHNESS CAFEで朝の3時半まで読書して、タクシーで帰宅。
素晴らしい休日って、こういうもんです。
ってか3/22はUPLINKに行かねば。